研究課題
基盤研究(C)
独自に合成したウラシルヨードニウム塩からの環状歪みアルキンの発生条件についての検討を詳細に行い、ウラシルのふたつの二重結合炭素を一挙に官能基化することができる新しいビシナル官能基化法を開発した。さらに、プリン類などの核酸塩基誘導体に対し、電子豊富なアリール基などの求核分子を導入するメタルフリー反応や、ヨードニウム塩を用いるスルフィド類のS‐アリール化反応を見出した。
有機合成化学
ヘテロ芳香族化合物のなかでも、プリン塩基やピリミジン塩基などの核酸塩基は、抗がん活性や抗ウイルス活性等を示す医薬品のファーマコアとして重要な機能を有しており、新規官能基法を開発することは創薬化学分野において重要である。本研究で開発した核酸塩基を有するビアリール化合物は、医薬品関連分子や機能性分子の創生研究への寄与につながりうる。また、本研究で見出したウラシルのビシナル官能基化法を用いることで、複雑なヘテロ芳香環化合物の骨格構築を効率よく行うことが可能となった。