本研究課題は、製剤の物性評価におけるTD-NMRの有用性を明らかにすることを目的とした。時間領域NMR(TD-NMR)とはNMR緩和を評価するためのNMR手法である。TD-NMRではT1およびT2緩和時間などの試料の分子運動性を表すNMRパラメーターを短時間かつ簡便に測定できる。そこで、本研究課題では、TD-NMRを用いて(1)薬物の結晶状態および(2)製剤材料および製剤中の水分量の定量を行い、物性評価における有用性を検証することとした。検討の結果、TD-NMRは製剤物性をより深く理解するための新たな分析技術として有望であることが明らかになった。
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