研究課題/領域番号 |
20K06994
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
安川 圭司 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (80372738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 亜硫酸由来ラジカル / 潰瘍性大腸炎 / 亜硫酸オキシダーゼ |
研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患であり発症機序が未だ不明である。これまでにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎マウスの発症初期において硫酸塩、亜硫酸塩及び高反応性を有する亜硫酸ラジカルの産生が亢進していることを明らかにしてきた。また、雄性4週齢ICRマウスをMo欠乏食で飼育し200ppm Na2WO4水溶液を3週間自由飲水させることで、生体内で亜硫酸塩を硫酸塩に代謝する亜硫酸オキシダーゼ(SOX)の活性を枯渇させたSOX欠損マウスを作成して検討を行ったところ、SOX欠損DSS投与群は通常のDSS投与群と比較してDAIスコアが有意に増加し、大腸長も減少傾向を示すこと、亜硫酸オキシダーゼ欠損3%DSS投与群は通常の3%DSS投与群と比較して大腸組織における硫酸塩と亜硫酸ラジカル産生が増加することを示した。一方、DSS飲水の有無やDSS飲水日数により亜硫酸オキシダーゼ活性の統計学的有意な変動は認められないことも確認した。 以上からDSS誘発大腸炎マウスの発症初期から亜硫酸由来ラジカルの連鎖反応が進行し、大腸組織が傷害されていると考えられた。 そこで、亜硫酸ラジカルの消去はDSS誘発大腸炎の軽減に有用であると考えられることから、ESR/スピントラップ法を用いて種々の化合物の亜硫酸ラジカル捕捉作用を検討した。その結果、一部のチオール化合物を含む化合物は、スピントラップ剤DMPOの亜硫酸ラジカル付加体形成を用量依存的に抑制し、亜硫酸ラジカル捕捉作用が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究遂行に想定以上に時間を要し、昨年度内に完遂できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
亜硫酸ラジカルの産生機序について追加検討し、データを取りまとめて論文化を進めると共に、亜硫酸由来ラジカルを標的とした候補薬の治療効果評価に向けた検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行に想定以上に時間を要し、当初の計画よりも遅延が生じたために残額が発生した。次年度は主に前半で物品費に充て、後半で論文など成果発信に係る費用を中心に充当する予定である。
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