研究課題
基盤研究(C)
本研究では、アルブミンによるナノ粒子表面の被覆状態の違いが、細網内皮系による捕捉の回避(ステルス化)ならびに抗腫瘍効果にどのように影響するかを検討した。その結果、アルブミンによる被覆率の高いナノ粒子は細網内皮系による捕捉を回避でき、このステルス化によりがん組織へのナノ粒子の集積性ならびにがん増殖抑制効果が向上することが明らかになったことから、このナノ粒子を用いた効果的かつ安全な抗がん剤治療が可能になると考えられた。
薬物動態学
本研究でナノ粒子のステルス化に必要なアルブミンによる被覆条件が明確になったことから、このナノ粒子を用いた効果的かつ安全な抗がん剤治療が可能になると考えられる。また、アルブミンによる被覆は、今回検討したナノ粒子以外にも、リポソームや高分子ミセル等、他のナノ粒子への応用も期待できる。さらに、本ナノ粒子に蛍光物質、光増感剤や磁性物質などを封入することで、薬物治療のみならず、がん病巣のイメージング、光線力学療法や温熱療法等にも応用でき、がんの治療・診断の幅を格段に広げることができると考えられる。