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2020 年度 実施状況報告書

抗アレルギー活性を有するIgE標的デコイリポソーム製剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K06996
研究機関神奈川県衛生研究所

研究代表者

田所 哲  神奈川県衛生研究所, 理化学部, 主任研究員 (20389109)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードアレルギー / マスト細胞 / リポソーム
研究実績の概要

近年、花粉症などの即時型アレルギー疾患は増加傾向にあり、社会問題として取り上げられる機会が増加している。即時型アレルギー疾患に関与するマスト細胞は、細胞膜表面上にIgE受容体を発現している。また、細胞内にはヒスタミンなどの炎症性メディエーターを含む分泌顆粒を内包している。抗原がIgEを介してIgE受容体を架橋すると、分泌顆粒と細胞膜の融合(脱顆粒)によって炎症性メディエーターが細胞外に放出され、アレルギー症状が引き起こされることになる。既存の抗アレルギー薬であるオマリズマブは、IgEとIgE受容体の結合を阻害する抗体医薬品で、優れた抗アレルギー活性を示すが、薬価が高い。そこで本研究では、IgE受容体をリポソームに組み込むことで、オマリズマブと同様の機序で抗アレルギー活性を示す、安価なリポソーム製剤を開発することを目的としている。
令和2年度は、IgE受容体α鎖の組み換えタンパク質の取得を試みた。まず、IgE受容体α鎖をタグ付きタンパク質として発現するプラスミドベクターを構築し、タンパク質発現用の大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌を用いてIgE受容体α鎖の発現条件(IPTG濃度、培養温度、大腸菌の密度)や精製条件について検討を行った。その結果、IgE受容体α鎖の組み換えタンパク質を取得することに成功した。しかしながら、得られた組み換えタンパク質は精製度が低いことから、今後は精製条件について再度検討を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IgE受容体α鎖の組み換えタンパク質を取得することに成功したが、精製度が低かったため。

今後の研究の推進方策

今後は引き続き、IgE受容体α鎖を大腸菌で発現させた際の精製条件について検討を行う。また、得られた組み換えタンパク質を、リポソームに組み込むための条件検討についても進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

IgE受容体α鎖の組み換えタンパク質を、大腸菌を用いて発現させるための条件検討に時間を要したため、予定していた試薬の購入を見送ったことによるものである。次年度の物品費として試薬の購入に使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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