本研究では低波数ラマン分光法を活用することにより,(i)プローブ型検出器による造粒工程において崩壊剤が原薬結晶に及ぼす影響のin situモニタリング,(ii)顕微測定による口腔内崩壊錠の内部構造および成分分布の可視化,ならびに(iii)透過測定による錠剤中主薬の含量測定に造粒工程のパラメータが及ぼす影響を評価する技術を確立した.その中でも特に(i)プローブ測定によるプロセス分析は,現在の標準的な手法である近赤外分光法に新たな測定オプションを提供するとともに,製剤を構成する成分の結晶状態を即時的に評価するのに有用であることから,研究目的である製剤化工程の精密制御に寄与することができた.
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