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2021 年度 実施状況報告書

超耐熱化蛋白質融合抗体フラグメントの創製

研究課題

研究課題/領域番号 20K07008
研究機関崇城大学

研究代表者

大栗 誉敏  崇城大学, 薬学部, 教授 (70346807)

研究分担者 安楽 誠  崇城大学, 薬学部, 教授 (60398245)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード抗体エンジニアリング / FV / アダリムマブ / タンパク質の安定化
研究実績の概要

抗体エンジニアリングの発展により、多くの抗体フラグメントが開発されている。Fv領域は抗原結合を担う必須のドメインであるが、単独では安定性に問題がある。そこで本研究では、著しく安定化した二量体タンパク質をFvへ融合させ、全体的に安定性の高い抗体フラグメントを酵母を用いて作製することを目的としている。抗体として、これまで酵母より大量発現に成功している抗体医薬品アダリムマブのFv領域をターゲットとした。また植物由来のホモ二量体であるphlp7へ分子間SS結合を導入した変異体(M5C)を安定性の高い土台のタンパク質とした。
これまで遺伝子操作によるFv融合体の発現系の構築を行い、酵母より大量発現させ、目的の二量体タンパク質を調製できたが、融合しているphlp7の分子間SS結合の形成が見られなかった。そこで2021年度においては、Fvとphlp7をつなぐリンカーについて、GSからGGGS(GS2融合体)、GGGSGS(GS3変異体)の遺伝子発現系を作り、酵母より調製した。精製したGS2融合体、GS3融合体を調べた結果、分子間SS結合形成は見られなかった。そこでGSのリンカーである融合体について、試験管内でのSS結合形成実験を行った。種々の条件検討の結果、一部で分子間SS結合形成が見られ、融合状態でも変異によるphlp7の分子間SS結合形成のポテンシャルを示すことができた。別のアプローチとして分子間SS結合形成を促すために、Cys周辺での分子間静電相互作用導入の変異をphlp7に施した変異体の遺伝子発現系を作り、酵母より調製した。その結果、精製した分子間静電相互作用導入変異のFv融合体では分子間SS結合形成が見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、遺伝子操作により4種のFv融合体の酵母発現系を構築し、大量培養を行った。目的のVHとVL融合体形成が確認出来ているが、Fvをささえるphlp7の分子間SS結合形成がみられていない。ただし、一部において分子間SS結合形成が見られたことは、超耐熱型のphlp7変異体が、FVとの融合体の状態でも形成しうるということを意味しており、大きな進展であるといえる。

今後の研究の推進方策

Fv融合体の土台となるphlp7の分子間SS結合を形成させることを次年度の最優先課題と位置づける。SS結合形成のポテンシャルはあるので、何かしらの立体障害を回避できれば可能と考え、リンカーアミノ酸を1つずつ増減させた変異体を作製して検討する。また他の部位での分子間SS結合導入も検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度に動物実験を実施するため。

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公開日: 2022-12-28  

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