研究課題
基盤研究(C)
医薬品による薬効や副作用の個人差は、医薬品成分の血中濃度や反応性代謝物生成など、薬物動態の違いに起因する場合が多い。特に、肝臓に発現する薬物代謝酵素の活性や発現量の差が薬物動態に与える影響が大きいことが知られている。本研究では、アデノシン6位メチル化 (m6A修飾) が、ヒト肝における薬物代謝酵素の発現を制御することを明らかにし、薬物代謝に起因する薬効や副作用の個人差の最小化に向けた基礎情報を得ることができた。
分子生物学
薬物治療において問題となる医薬品による薬効や副作用の個人差の一因として、転写後修飾の一つであるアデノシン6位メチル化 (m6A修飾) による、ヒト肝における薬物代謝酵素の発現制御の可能性を明らかにした。本研究成果は個別化医療の実現に向けた有用な基盤情報となることが期待される。また、m6A修飾が転写後レベルのみではなくクロマチン構造などの制御を介した様々なメカニズムによって、薬物代謝酵素の発現を調節することが明らかになり、分子生物学的にも有用な知見を得ることができた。