家族性ALS患者の約5%ではRNA結合タンパク質FUSの変異がみられ、細胞質でFUSが異常に蓄積している。本研究では、FUSとAtaxin-2に着目し、それらを介した運動ニューロン変性機構の解明を目指した。まず変異FUSを発現するALSモデルマウスを作成したところ、体重減少、生存率低下、神経異常といったALS類似の症状を示した。このマウスにFUSノックアウトマウスを交配させることで核のFUSタンパク質の発現量を減少させたところ、神経異常が改善した。また、Ataxin-2のノックアウトマウスと交配させたところ、運動機能は悪化したが、体重や生存率は改善した。
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