研究課題
基盤研究(C)
脳腫瘍の一種である上衣腫の一部は予後が悪く、化学療法や放射線治療法に耐性で外科手術も困難な小児希少疾患です。上衣腫のうち予後の悪いサブクラスの一つでは、発がんに関わるタンパク質が他のタンパク質と融合して発現することよって過剰に活性化し、上衣腫の原因となることが報告されています。本研究課題では、この融合タンパク質が過剰に活性化する分子機構を解明し、融合タンパク質のどの部分が治療の標的となり得るのかを探索しました。
薬系衛生および生物化学関連
上衣腫は治療が困難であることから、その発症機序の解明による治療標的の探索が求められていました。本研究によって、上衣腫の中で予後の悪いサブクラスの一つの原因となる融合タンパク質が過剰に活性化し、上衣腫を発症させる分子機構の一端が明らかになりました。今回の研究では、上衣腫原因融合タンパク質の活性化に関わる分子を同定し、両者の相互作用機序を明らかにしたことから、今後はこの部分を標的として上衣腫治療薬を開発できることが期待できます。