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2020 年度 実施状況報告書

マスト細胞の脱顆粒応答抑制に関わるGPR35の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K07040
研究機関京都薬科大学

研究代表者

田中 智之  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40303846)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードGPR35 / マスト細胞 / クロモグリク酸ナトリウム
研究実績の概要

本研究では、抗アレルギー薬であるクロモグリク酸ナトリウム(DSCG)の標的分子候補のひとつである三量体型Gタンパク質共役型受容体、GPR35に着目している。DSCGは消化管吸収率が低く、経口投与可能な抗アレルギー薬が期待されている。また、GPR35はGWAS解析からは炎症性腸疾患やⅡ型糖尿病との関係が示唆されており、新たな抑制性の受容体として注目されている。2020年度は、おもに発現系におけるそのシグナル伝達について解析を実施し、以下の成果を得た。
・HEK293細胞を用いたTGF-alpha shedding assayの実験系を用いた検討から、ヒト、ラット、マウスでアゴニストの活性に種差があることに加えて、Gタンパク質との共役プロフィールについても種差があることを見出した。
・ヒトGPR35とGalpha16 cDNAを同時にHeLa細胞にトランスフェクションすると、アゴニストに応答してCa2+応答が検出されることを確認した。
・従来用いられてきた培養マスト細胞株ではGPR35の発現は認められなかった。ラット腹腔マスト細胞では強いmRNA発現が確認された。
・マウス腹腔細胞をSCF存在下、培養し、ほぼ100%の純度で成熟マスト細胞のモデルを得ることに成功した。
・共同研究を通じたアゴニストスクリーニングをTGF-alpha shedding assayの実験系を用いて継続し、ヒトと齧歯類で同等の親和性をもつリガンドを複数見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の感染拡大の影響を受け、研究室での活動が制限されたことから実験量が減少し、影響を受けている。こうした環境の変化に対応した研究計画を再検討しており、2021年度以降にリカバリーする予定である。

今後の研究の推進方策

共同研究を通じてGPR35遺伝子欠損マウスを利用することが可能となる見込みであり、in vivoにおける検証計画を見直している。研究計画についてはそれ以外の大きな変更は予定しておらず、遂行する上で解消するべき課題はない。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の感染拡大を受け、研究活動が制限されたことから、研究計画の一部を見直し、2021年度に重点的に使用することにしたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] KLF4 is required for suppression of histamine synthesis by polyamines during bone marrow-derived mast cell differentiation2020

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Kazuhiro、Okamoto Moemi、Shibue Rina、Mizuta Toshio、Shibayama Toru、Yoshino Tetsuhiko、Murakami Teruki、Yamaguchi Masashi、Tanaka Satoshi、Toida Toshihiko、Igarashi Kazuei
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 15 ページ: e0229744

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0229744

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular ATP Augments Antigen-Induced Murine Mast Cell Degranulation and Allergic Responses via P2X4 Receptor Activation2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Kazuki、Ito Masa-aki、Sato Naoko、Obayashi Kosuke、Yamamoto Kimiko、Koizumi Schuichi、Tanaka Satoshi、Furuta Kazuyuki、Matsuoka Isao
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: 204 ページ: 3077~3085

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1900954

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ligation of MHC Class II Induces PKC-Dependent Clathrin-Mediated Endocytosis of MHC Class II2020

    • 著者名/発表者名
      Masaki Kento、Hiraki Yuhji、Onishi Hiroka、Satoh Yuka、Roche Paul A.、Tanaka Satoshi、Furuta Kazuyuki
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 9 ページ: 1810

    • DOI

      10.3390/cells9081810

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Phenotypic and Functional Diversity of Mast Cells2020

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Satoshi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 21 ページ: 3835

    • DOI

      10.3390/ijms21113835

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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