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2023 年度 実績報告書

カルパインの酵素活性異常を介した難治性皮膚炎発症の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K07044
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

秦 勝志  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (10392375)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードカルパイン / 乾癬
研究実績の概要

本研究は、Capn8-Tgマウス(Capn8-Tg)が乾癬発症する表現型の発見を契機に、乾癬発症におけるカルパインの役割を解明し、新規治療法開発に繋がる分子基盤の確立を目指すものである。乾癬は表皮細胞の増殖・分化異常、リンパ球の浸潤などを所見とする疾患である。遺伝子や環境因子の複合要因のもと、表皮細胞と免疫細胞との相互作用が病態の中心と考えられているが、発症機序は未だ不明な点が多い。2023年度は下記を行った。
(1)皮膚マイクロアレイ解析及びプライマリー表皮細胞を用いた解析から、Capn8-Tgマウスの病態が、発現するCAPN8の作用で表皮細胞の細胞分化が亢進することが引き金であることを示唆する結果が得られた。
(2)Capn8KOマウス皮膚に対して免疫賦活化剤イミキモドによる乾癬誘導を行っても症状の抑制が見られなかった。次に、イミキモド乾癬誘導モデルマウスを用いて全カルパイン分子種の発現変動を調べた。その結果、CAPN8ではなくCAPN12とCAPN15の有意な発現亢進が見られた。Capn12KOマウスに対してイミキモド乾癬誘導を行うと症状が抑制されたことから、病態形成へのCAPN12の関与が明らかになった。
(3)皮膚においてCAPN12は表皮細胞に発現することを見出した。
これらの結果は、表皮細胞におけるCAPN12の活性異常が乾癬発症に関わることを示しており、CAPN12の活性阻害は乾癬の新たな治療戦略として期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Calpain-3 not only proteolyzes calpain-1 and -2 but also is a substrate for calpain-1 and -22023

    • 著者名/発表者名
      Ojima Koichi、Hata Shoji、Shinkai-Ouchi Fumiko、Ono Yasuko、Muroya Susumu
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: 174 ページ: 421~431

    • DOI

      10.1093/jb/mvad057

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨格筋特異的に発現するカルパイン3は組織普遍的なカルパイン1および2を基質とする2023

    • 著者名/発表者名
      尾嶋孝一、秦勝志、大内史子、室谷進、小野弥子
    • 学会等名
      日本畜産学会第131回大会
  • [学会発表] ユビキチン-カルパイン系による新規E-カドヘリン代謝経路2023

    • 著者名/発表者名
      野口あや、秦勝志、土屋光、設楽浩志、田中啓二、佐伯泰、小野弥子
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Reciprocal proteolysis among calpain-1, -2, and -32023

    • 著者名/発表者名
      Koichi Ojima, Shoji Hata, Fumiko Shinkai-Ouchi, Yasuko Ono, Susumu Muroya
    • 学会等名
      Cell Bio 2023 米国細胞生物学会
    • 国際学会
  • [備考] 東京都医学総合研究所カルパインプロジェクトホームページ

    • URL

      https://www.igakuken.or.jp/calpain/

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公開日: 2024-12-25  

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