本研究では主に、(1)微量な生理活性リゾリン脂質を高感度に可視化するための質量分析(MS)イメージング法の開発、(2)これを用いた局所リゾリン脂質の変動解析、(3)その生理病理機能の解明、に取り組んだ。結果、Phos-tag誘導体化に基づくMSイメージング法の開発に成功し、LPAなどの微量リゾリン脂質を可視化することが可能となった。これらの手法で明らかにしたリゾリン脂質の局在を手がかりに、LPA2依存的な精細胞のアポトーシス抑制機構や毛包形成におけるLPAの供給メカニズムを解明した。また共同研究で様々な病態モデルマウスの解析を行い、特定の病理的状況下におけるリゾリン脂質の蓄積を明らかとした。
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