研究課題
基盤研究(C)
分裂酵母を遺伝子改変して作成した「パーキンソン病モデル細胞」を用いた解析により、抗てんかん薬として知られるバルプロ酸がパーキンソン病モデル細胞の細胞障害を顕著に増悪させることを見出した。ヒト神経細胞由来のcDNAライブラリからαSyn凝集抑制因子を探索する試みについては良好な結果が得られなかったが、抗真菌作用をもつ化合物のひとつがαSynの凝集化の抑制にはたらくことを見出した。さらに、遺伝学的解析を通じて、エンドサイトーシスのプロセスがαSynの凝集化に深く関与することを見出した。
分子生物学
高齢化が進む日本社会において、パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患の予防法・治療法の確立が喫緊の課題となっている。本研究では、抗てんかん薬として使用されるバルプロ酸がパーキンソン病の進行を早める可能性があることや、パーキンソン病の発症原因とされるαSynの凝集化過程にエンドサイトーシス機構が関与すること、抗真菌作用をもつ化合物のひとつがαSynの凝集化の抑制にはたらくことなどを見出した。これらの研究成果により、発症メカニズムの理解、および予防法・治療法の開発がさらに進むと期待される。