ニーマン・ピック病C型(NPC)は遺伝難病で、脂質蓄積を伴う肝障害が問題となる。本研究では、NPC肝障害の病態機序解明と治療薬開発を目指し検討を行った。①NPCモデルマウスにHPBCDを微量脳室内投与する実験結果からNPCの中枢神経障害と肝障害の病態連関が示唆され、この機序に関与する分子を同定し、この病態機序解明の更なる研究の足がかりを見出した。②HPBCDに代わる新規治療薬候補マルトシル-γ-シクロデキストリンを見出し、特許出願・論文発表を行った。③アセトアミノフェンによる薬剤性肝障害におよぼすNPC1遺伝子変異の影響をマウスと培養細胞で調べたが肝障害が増悪するような知見は得られなかった。
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