研究課題/領域番号 |
20K07080
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 教授 (10184459)
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研究分担者 |
小原 祐太郎 山形大学, 医学部, 准教授 (40400270)
中島 修 山形大学, 医学部, 教授 (80312841)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Kチャネル / 受容体刺激 / インターナリゼーション |
研究実績の概要 |
ヒト心室筋において重要な役割を演じている遅延整流K電流のうち、遅く活性化するIKs(主サブユニットKCNQ1と副サブユニットKCNE1で形成される)の量的な修飾機構について着目した研究である。培養細胞を用いた検討で、α1アドレナリン受容体の刺激によってKCNQ1のインターナリゼーションが起こることを観察したため、同様の現象がネイティブの心筋細胞および動物個体でも見られるのかを明らかにする目的で検討を行なっている。 これまでの研究によって、ラットの培養心筋細胞においてα1アドレナリン受容体刺激によるKCNQ1のインターナリゼーションは観察できたが、その際にもα1アドレナリン受容体を過剰に発現することが必要であった。以前の研究で得られた知見からすると、受容体とチャネルの発現比がチャネル修飾に影響を及ぼしている可能性も考えられるため、、その点についての検討を加える必要がある。また、残念ながら、未だ動物個体を用いた検討にまでは至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心筋細胞を用いた検討に関して、動物の初代培養心筋細胞を用いることに加えて、iPS由来心筋細胞を用いることを計画していたが、後者については検討が出来ていない。研究計画全体における重要性からして、動物個体を用いた検討は必須であると考えるため、iPS由来細胞を用いた検討にまで手が回っていない。 動物個体を用いた検討に関しては、初年度中に野生型のKCNQ1を発現させたトランスジェニックマウスを作製し、計画通りの研究を進められるかについて、検討する予定であった。しかし、残念ながら目的とするトランスジェニックマウスを得ることが未だ出来ていない。作製上の問題について研究分担者と相談を重ねている。 また、動物個体においてα1アドレナリン受容体刺激によって単相性活動電位および心電図の明らかな変化を見ることが出来ておらず、その先の検討にまで至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
ネイティブの培養心筋細胞においてα1アドレナリン受容体刺激によってKCNQ1がインターナリゼーションされることは観察できたが、その際にα1アドレナリン受容体の過剰発現が必要であった。この事実は、動物個体においては、α1アドレナリン受容体刺激によるKCNQ1のインターナリゼーションが観察されない可能性を示唆しているため、その点について更なる検討を行う予定である。また、進捗状況においても述べたが、iPS由来心筋細胞を用いた検討は出来ていない。しかし、現状および本研究の大きな目的からして、iPS由来細胞を用いた研究の優先順位を一番最後に持ってくることとする。 トランスジェニックマウスの作製について、本年度中に少なくとも野生型KCNQ1に関しては成功させる予定である。また、単相性活動電位および心電図をパラメーターとした動物個体を用いた研究については、受容体刺激の条件(時間など)を変更するなどの検討を加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物個体を用いた検討がほとんど進まずプレリミナリーな実験で終わってしまったため、初年度の使用額が小額となり、次年度への繰越金が多くなってしまった。動物個体を用いた研究計画について改めて良く考え、助成金の使用計画の多少の変更はあり得るが、基本的に当初の計画に従って使用したい。
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