研究実績の概要 |
新規治療薬候補化合物CsAおよびALVの変異 α345(Ⅳ) 三量体分泌促進メカニズムの探索を行った.Cyp はPeptidyl-Prolyl cis-trans Isomerase (PPIase) 活性を持ち, CsA と結合するタンパク質ファミリーとして同定され, ヒトでは15種類ほどが報告されている. そこでCsA と結合することが報告されているCyp ファミリー 11 種類に対してsiRNAによる遺伝子Knock down (K.D.) を行い, その後CsA, ALV を処理し変異 α345(Ⅳ) 三量体分泌促進作用がどのように変化するか検討した. その結果それぞれのCyp K.D. 単独で変異三量体の分泌が変化したが, 中でもCypF のノックダウンで三量体分泌が顕著に増加した. さらにCsA, ALV を処理すると, CypF K.D. でのみ追加の三量体分泌促進作用は観察されなかった. このことからCsA及びALVの変異三量体分泌促進作用は主にCypFを介したものであることが示唆された. そこでCypF の過剰発現 (O/E) 並びに CsA及びALVの処理を行い, 三量体分泌アッセイを行った. その結果CypF 過剰発現により変異 α345(Ⅳ) 三量体の細胞外分泌が阻害され, CsA, ALV の三量体分泌促進作用が減弱することが確認された. 以上よりCsA及びALVはCypFの阻害を介して変異 α345(Ⅳ) 三量体の分泌を促進することが示唆された.
|