研究課題/領域番号 |
20K07087
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
衣斐 督和 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (10336539)
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研究分担者 |
浅岡 希美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90826091) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害 / 活性酸素種 |
研究実績の概要 |
初年度、polyI:C投与により惹起される自閉症スペクトラム患者(ASD)で認められる社会性行動異常の発現にNOX1が関わることを見出した。2021年度はその発現機序の解明を行った。ASDにおいて、転写因子PTENのゲノム変異が高頻度に検出されている。さらにPTENのノックアウトマウスでは、社会性行動異常が認められること、さらにNOX1由来ROSはPTENのリン酸化を介してPTENを不活性化させることをから、NOX1を介した社会性行動異常の発現機序の一つとしてPTENの不活性化について解析した。しかし、野生型マウスとNOX1-KOマウスではPTENのリン酸化レベルに差異は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度から金城学院大学に着任した。NOX1-KOマウスを導入する予定であったが、遺伝子改変動物の飼育場所である SPFゾーンが漏水により汚染され、部屋のクリーンアップと微生物検査が2022年3月に完了した。その間、NOX1-KOマウスの搬入ができず、新生仔マウスの行動解析や形態学的評価を行うことができなかったため、予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
金城学院大学の実験動物施設の規定では、「受精卵から作成した遺伝子改変動物の個体を搬入すること」とあるため、2022年4月に日本SLCに個体作成を依頼した。そのため、実験が開始できる時期としては、秋以降になる予定である。本年が最終年度であるため、本研究では発達障害として自閉症と統合失調症の発症機序解明を計画していたが、今年度はpolyI:Cモデルを用いた自閉症発症の機序解明に注力する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
NOX1-KOマウスの搬入を行うことができなかったことで、研究が進まなかったため、当初計画した予算分を使い切ることができなかった。2022年度は余剰分はNOX1-KOマウスの凍結胚からの個体作成費用に充てる。
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