研究課題
基盤研究(C)
消化管平滑筋の収縮は,内容物による筋組織の伸展により変化することが知られている。この反応は,機械刺激感受性イオンチャネルにより仲介されることが示唆されている。本研究は,機械刺激感受性陽イオンチャネルPiezo1に着目し,同チャネルの大腸運動調節における役割を明らかにすることを目的として行った。その結果,平滑筋に発現するPiezo1チャネルが大腸平滑筋の収縮を興奮性に制御していることが示唆された。
薬理学
大腸平滑筋の収縮調節におけるPiezo1チャネルの役割を明らかにした本研究の成果は,未解明な点が多く残されている腸管運動制御メカニズムの全容を解明するうえで,重要な情報となる。Piezo1チャネルの機能不全は,過敏性腸症候群などの消化管運動障害につながることが予想される。それ故,本研究の成果は,消化管運動障害におけるPiezo1チャネルの関与やPiezo1チャネルをターゲットとした治療薬の開発に向けた将来的な研究の実施に向けても,基盤的な情報になると考えられる。