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2020 年度 実施状況報告書

トランスジェニック線虫を用いた生薬の機能性評価法の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K07100
研究機関広島大学

研究代表者

杉本 幸子  広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (60549012)

研究分担者 山野 喜  広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (70650597)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード線虫 / 抗老化 / 核移行
研究実績の概要

本研究の目的は、トランスジェニック線虫を利用した活性評価法を通して、生薬の新たな機能性を発見することと、その生物活性物質を単離し、作用機序を解明し、動物実験における効果を確認することにより、本研究で用いる活性評価法が化合物の臨床的有効性の評価法として適しているかを検証することである。本研究で用いる素材は医食同源の観点からセルフメディケーションでの利用も可能であることから、本研究成果が国民の健康や医療に貢献できる可能性が高まると考えている。本研究では機能性評価系として、ヒト病態モデルとして作成されたトランスジェニック線虫であるCL4176 (抗アルツハイマー) とTJ356 (抗老化作用) を利用した活性試験法を用いる。本研究ではこれらの評価系を用いて上品生薬の機能性を見出し、その生物活性物質の単離を行うと共に、動物実験に供することで臨床的有効性を確認し、研究目的を達成する。
本研究は3年の研究計画とし、以下の5つの項目を順次遂行する。
①上品生薬抽出エキスに対して上記二つの線虫評価系を用いたスクリーニング②活性の認められたエキスに含まれる生物活性物質を、各種カラムクロマトグラフィー、HPLCなどを用いて単離③核磁気共鳴装置や質量分析装置などを用いた化合物の構造解析④単離された生物活性物質の作用機序解析⑤生薬および単離された生物活性物質の動物実験による機能評価
現在までにTJ356株を用いて抗老化作用を試験しており、スクリーニングで3種まで絞った素材の中から1種にしぼり、それについてメタノールで抽出し、各種溶媒分配を行い酢酸エチル可溶画分に活性の集約が認められたため、オープンカラムクロマトグラフィーを行い、活性フラクションを見出した。今後はHPLCを用いて活性化合物の単離を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究課題で用いる生物モデルである線虫は米国ミネソタ大学にあるCaenorhabditis Genetics Center (CGC)より購入しているが、COVID-19の影響で供給が制限されており、以前であれば発注一週間後には到着していたが、現在は輸送に問題があることから二か月ほどかかることと、それに付随して実験に使えない状態で線虫が到着している。このようなことから当初の計画より進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

上述したとおり、本研究課題は①~⑤の5つの項目を遂行するが、現在②の段階である。コロナ禍により、CGCから通常よりも遅れて到着する生体を、実験に使える状態に継代維持する最適な条件を探しつつ、活性化合物の単離を行う。また単離後、化合物の構造は質量分析とNMR解析を主とした各種スペクトルデータを基に決定する。④評価系は表現型スクリーニングであることから、そこから得られる生物活性物質の作用機序には未解明の部分が含まれると予想される。活性物質の作用機序を詳細に解析することは、その活性物質自身の機能を評価する上で重要なだけでなく、新たな創薬標的分子の発見という創薬上の観点からも重要であることから作用機序の解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していたよりも物品費を安く抑えることができたため未使用額が発生したが、引き続き、次年度以降も物品購入に使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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