• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

脂質異常症患者に対する薬局薬剤師の介入モデルの構築と臨床的アウトカムの評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K07138
研究機関昭和大学

研究代表者

向後 麻里  昭和大学, 薬学部, 教授 (70343499)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード薬局薬剤師 / かかりつけ薬剤師 / 脂質異常症 / 生活習慣病 / 心血管イベント / 無作為化比較試験 / 薬剤師介入 / 疾病管理
研究実績の概要

2022年度も引き続き、脂質異常症患者を対象に構築したモデルを用いて薬局薬剤師による積極的指導を実施した。デザインは非盲検多施設無作為化比較試験、参加者はスタチンを服用している脂質異常症患者とし、10薬局で募集した。対照群は通常の服薬指導、介入群は通常の服薬指導に加え構築したモデルを用いた指導を4回行った。主要評価項目は吹田スコア(心血管イベント発症リスクスコア)の変化量、LDL・HDL・TG、体重、血圧、副次的評価項目は服薬・栄養・運動・禁煙の管理状況とした。介入群と対照群で主要・副次的評価項目について比較検討した。
10薬局で合計20人の参加者が募集された。基準を満たした17名が登録され、1名が除外、1名が脱落した(介入群9名、対照群6名)。15名の平均年齢は61.5歳、男性が13%、60%がロスバスタチンを服用していた。
主要評価項目の結果示す。吹田スコアの変化量は、対照群で-1.0±4.9であったのに対し、介入群では-5.2±5.0であった(95%信頼区間:-9.9~1.4、p=0.13)。また、吹田スコアの変化率は、対照群では2.5%の減少であったのに対し、介入群では11.8%の減少を示した。また、吹田スコアは、対照群では40.7±7.6から39.7±7.3へ変化(95%信頼区間:-6.1~4.1、p = 0.64)したのに対し、介入群では43.9 ± 5.9から38.7 ± 9.1へ変化 (95%信頼区間:-9.0~(-1.4) 、p = 0.01)した。介入群においては、吹田スコアに基づく冠動脈疾患リスク分類が中リスクから低リスクへ低下した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂質異常症患者を対象に、薬局薬剤師は介入モデルに従い、積極的な指導を実施した。しかしながら、COVID-19 の影響により、薬局に来局する脂質異常症患者が減少した。また、薬局薬剤師がコロナ感染症に罹患および濃厚接触により業務停止となったため、薬局内の薬剤師数が減少し、半数の薬局が参加者を募集できなかった。従って、研究全般がやや遅延している。

今後の研究の推進方策

2023年度は、①薬局薬剤師を対象に実施した研修会のアンケート結果、②参加者および薬局薬剤師を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果を解析する。
①薬局薬剤師を対象に実施した研修会のアンケート結果:対象者は本研究に参加した薬局薬剤師13名とする。アンケートは15項目について5段階で介入研究終了後に実施した。CS分析を使用し、介入プログラムへの薬剤師研修の影響を検証する。
②参加者および薬局薬剤師を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果:対象者は本研究に参加した薬局薬剤師13名、および患者15名とする。アンケートは13項目について5段階で介入研究終了後に実施した。CS分析を用いてアンケート結果を解析し、介入プログラムの有用性を検証する。
③結果の公表:学会にて発表する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)COVID-19 の影響により、薬局に来局する脂質異常症患者が減少した。また、薬局薬剤師がコロナ感染症に罹患および濃厚接触により業務停止となったため、薬局内の薬剤師数が減少し、半数の薬局が参加者を募集できなかった。以上より、全体的に研究が遅延したため、次年度の使用が生じた。
(2023年度の使用計画)薬局薬剤師を対象に実施した研修会のアンケート結果、参加者および薬局薬剤師を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果を解析し、学会にて発表する(。第56回日本薬剤師会学術大会)。結果を分析するための研究補助者代、分析用のPC代、学会発表のための旅費代等に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effectiveness of community pharmacist-led intervention for patients with dyslipidemia using the rubric-based intervention program: A randomized controlled trial2022

    • 著者名/発表者名
      Hisateru Ueki, Masayuki Ohbayashi, Toshinori Yamamoto, Tsuyoshi Inoue, Mari Kogo
    • 雑誌名

      BPB Reports

      巻: 5 ページ: 125-132

    • DOI

      10.1248/bpbreports.5.6_125

    • 査読あり
  • [学会発表] 脂質異常症患者に対する薬局薬剤師の介入プログラムの構築と臨床アウトカムの評価:ランダム化比較試験2022

    • 著者名/発表者名
      植木 久輝、大林 真幸、山元 俊憲、井上 剛、向後 麻里
    • 学会等名
      日本薬学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi