研究課題
基盤研究(C)
限られた量の臨床検体について金属元素を効率的に測定するための前処理としてマイクロ波試料分解装置を用いた灰化条件を検討し、処理条件の最適化を行った。プラチナ系抗癌薬投与後は生体内で長期にわたり検出されるが、その血中からの消失は腎機能に依らずアルブミンなどの因子と関連することが示唆された。また、同患者サンプルについて生体内必須微量金属の変動に加え、同位体効果についても検討したところ、血漿中の鉄、銅、亜鉛の同位体比は自然比と比べて差異がある可能性があり引き続いての検討課題である。
臨床薬学
プラチナ系抗癌剤は消化器癌などの固形癌に対して汎用される薬剤である。一方で、プラチナが金属であることから同薬剤を用いる治療によって鉄、銅、亜鉛といった生体に必須の微量金属元素(バイオメタル)に影響する可能性がある。バイオメタルの変動をモニターすることによって生体が受けた影響を定量的に評価できる可能性があり、疾患の診断や治療効果の判定ならびに副作用の発現予測に応用できると考えている。