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2020 年度 実施状況報告書

胎盤移行性および胎盤機能を指標とした抗不安・睡眠薬のリスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K07149
研究機関北海道大学

研究代表者

古堅 彩子  北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90767261)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード抗不安・睡眠薬 / 胎盤 / トロホブラスト
研究実績の概要

胎盤は、物質輸送、ホルモン分泌、分化能等の多彩な機能を有しており、胎児の発育・妊娠の維持に関与する。これらの機能には、胎盤におけるtrophoblast細胞が重要な役割を担う。Benzodiazepine (BZ) 受容体作動薬は、広く使用されている抗不安・睡眠薬である。また、近年、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬等の睡眠薬も承認された。しかし、これら薬剤の妊娠期の安全性に関するデータは十分ではない。本研究は、抗不安・睡眠薬の移行性ならびに寄与因子を明らかにするとともに、trophoblast機能への影響についても多面的に評価することを目的とする。研究計画として、I. 胎盤移行性の違いと規定因子の解析、Ⅱ. 物質輸送能に及ぼす影響の評価、Ⅲ. ホルモン分泌能・分化能に及ぼす影響の評価を行う。本年度は、Iの課題についてin vitroにおける検討を進めた。
16種類のBZ受容体作動薬 (alprazolam, bromazepam, brotizolam, clobazam, clonazepam, clotiazepam, diazepam, estazolam, eszopiclone, ethyl loflazepate代謝物, etizolam, flunitrazepam, lorazepam, nitrazepam, triazolam, zolpidem)、メラトニン受容体作動薬 (ramelteon)、オレキシン受容体拮抗薬 (suvorexant, lemborexant) についてLC/MS/MSによる定量法を構築し、ヒト胎盤細胞株 (BeWo細胞) における蓄積量評価への適応を確認した。現在、細胞内蓄積量と各種物性との関連性について解析を進めている。また、suvorexantに関しては、37℃における蓄積量が4℃に比較して高いことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、「I. 胎盤移行性の違いと規定因子の解析」の計画について、BeWo細胞を用いて評価を進めた。さらに、正常ヒト胎盤細胞を用いた評価系の予備検討にも着手し、次年度の計画に繋げる結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

引き続き、「Ⅰ. 胎盤移行性の違いと規定因子の解析」の計画として、BeWo細胞における抗不安・睡眠薬の細胞内蓄積量と各種物性との関連性について解析を進める。また、同様に正常ヒト胎盤細胞における評価を進めていく予定である。Suvorexantに関しては、37℃における蓄積量が4℃に比較して高いことが示されたことから、輸送体の関与の有無についても評価を進める予定である。次年度は「Ⅱ. 物質輸送能に及ぼす影響の評価」にも着手する。妊娠期に重要な栄養素である葉酸やトランスポーター典型的基質の輸送に抗不安・睡眠薬が及ぼす影響を評価していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 妊娠・授乳期の適切な薬物治療に向けた母体-胎児・乳児間の物質移行に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      古堅 彩子
    • 雑誌名

      YAKUGAKU ZASSHI

      巻: 140 ページ: 1199~1206

    • DOI

      10.1248/yakushi.20-00140

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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