研究課題
本研究ではこれら分子標的抗がん剤のターゲット血中濃度を算出し、その血中濃度をマーカーにした治療戦略を確立する。さらに副次評価項目として、各薬剤の特徴的な副作用発現のバイオマーカーを探索し血中濃度との相関性の検討と、ファーマコゲノミクス導入による初回投与設計が可能か、血中濃度の個人差を解明する目的で薬物動態関連遺伝子多型を解析する。2020年度は、各分子標的抗がん剤に対して随時血中濃度を測定し、同じ採血ポイントにおけるバイオマーカーの探索を行った。バイオマーカーとしてはがん細胞の中枢神経浸潤の程度の評価としてpNFHの可能性について評価した。また脂質異常症や血管閉塞性の有害事象として複数の候補バイオマーカーの測定をELISA法を用いて行った。さらに薬物動態関連遺伝子多型の解析も随時実施した。
2: おおむね順調に進展している
2020年度は、随時検体採取を目的としていた。すなわち、計画通りに治療開始後day8の検体からDNAを抽出、遠心後に血漿中抗がん剤濃度とバイオマーカーを測定し、day15、29、その後1年間の1ヶ月毎は血中抗がん剤濃度を随時測定した。また各薬剤の中間目標症例数も概ねクリアしている。
2021年度の計画は、「2020年度同様に検体を収集し、血中濃度とバイオマーカー濃度の測定を行う。加えて一定の検体数が集まるため、遺伝子多型解析を行う。目標症例数に到達できないと予想される場合はさらに参加施設を拡大する。年度の中頃に中間解析を実施し、学会での報告を行う」としている。分子標的抗がん剤に対してノンレスポンダーの原因の可能性の高いバイオマーカーが見つかったので、先に論文にすることも視野に研究を進める。
3113円の残がでたが、この金額で購入できる研究に必要な試薬等がなかった
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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