研究課題
ポラプレジンク含有粘膜付着フィルム製剤の開発において、令和3年度はフレーバーや甘味料に関する検討及び製剤試験を実施した。1.甘味料添加フィルムの調製・評価:フィルムの服用感改善のため、甘味料としてスクラロースの使用を検討した。スクラロース添加の有無間で①崩壊時間、②引張強度、③弾性率、④破断歪み率を検討した。その結果、いずれの項目もクラロースの添加の有無で有意な差はなく、甘味料の添加はフィルム特性に大きな影響を与えないことが明らかになった。2.製剤試験:製剤試験として、含量均一性評価、保存安定性評価、粘膜付着性評価の3つの項目を行った。含量均一性評価として、日本薬局方第十八改正に従い初めの試料10個について判定値を計算し、その値が15%を超えないとき適合とした。その結果、判定値が4.72と15%以内であり調製したポラプレジンク含有フィルムは含量均一性試験に適合することが明らかになった。また、保存安定性評価(乾燥減量法)については、崩壊時間はわずかに短縮したが、薬物含有率は変化しなかった。また、吸湿によりフィルム中の水分含有率が12週より増加し、引張強度が低下した。粘膜付着性評価については、ポラプレジンク含有フィルムは市販品に劣らない粘膜付着性を示した。また、市販品と比べて濡れ性に優れていた。以上、令和2年度および3年度において、小児に適応可能なポラプレジンク含有粘膜付着フィルム製剤の開発を行うことができた。今後は、臨床研究の実施のために研究計画書を作成する。
2: おおむね順調に進展している
令和3年度は予定通り甘味料(スクラロース)の検討および製剤試験(含量均一性評価、保存安定性評価、粘膜付着性評価)を実施し、フィルム製剤の処方を決定することができた。
令和4年度は臨床研究の実施を計画している。研究計画書を作成し倫理委員会に申請し臨床研究を開始する。なお、本研究は特定臨床研究に該当するため、臨床研究法に準拠し特定臨床研究・倫理審査委員会が設置されている施設に申請を行い、承認を得て実施する。
昨年度の繰り越し金は、想定した試薬の一部を検討した結果、購入しなかったためである。本予算は次年度、臨床研究における研究計画書作成のための資金として使用する。
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