研究課題/領域番号 |
20K07153
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 夕紀 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (00564981)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コレステロール / NPC1L1 / リンパ / 吸収 |
研究実績の概要 |
本申請研究では、がん治療等のリンパ節郭清時に高頻度で認められるリンパ浮腫について、基礎研究、ならびに臨床研究の両面から脂肪細胞とコレステロール等の脂溶性成分の動態について着目し、肥満との影響を明らかにすることを目標に検討している。 これまでに、研究者らは、コレステロール動態について、コレステロール輸送担体として知られるNPC1L1(Niemann Pick C1 Like 1)をアフリカツメガエル卵母細胞oocytesに発現させ、NPC1L1の新たな機能評価法の一つとして確立した。コレステロール等脂溶性物質の体内動態は、より詳細な検討が必要ではあるものの、NPC1L1を介したコレステロールの細胞内取り込みにエンドサイトーシスの関与が示唆された。一方、肥満はリンパ浮腫の高い増悪因子となっていることが知られているが、リンパ浮腫の発生メカニズムや、肥満を誘発・増悪させているかに関して等の因果関係は明らかになっていない部分も多い。リンパ浮腫はリンパのうっ滞が物理的に生じているだけでなく、そのうっ滞などで蓄積された脂肪細胞等がリンパ管に対して、何らかの影響を及ぼしている可能性があると考えている。現在、我々は、ヒトリンパ管内皮細胞や脂肪細胞を用いて、当該細胞に発現するアクアポリン等の輸送担体の関与について種々検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでと同様に細胞培養を続けていたが、一定期間、細胞が育たない等のトラブルがあった。現在は解決し、通常通り検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果に引き続き、リンパ管内皮細胞ならびに脂肪細胞に与える影響とともに水の透過に関する検討を進めてゆきたいと考えている。リンパ浮腫が肥満の誘発、増悪因子となり得るか動態学的視点も加えながら、それらの関連性について明らかにしてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった学会がコロナ禍でオンラインになり、緊急事態宣言等の移動の制限などによる出張の取りやめ等、旅費として計上していた予算を使わない事態が生じた。次年度は本申請内容の最終年度でありまとめに向けてより精力的に、またコロナ禍での制限も徐々に緩和されることから、今年度の予算と併せて使い切ることができると考えられる。
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