ヒト唾液由来のexosome様細胞外小胞(Exo)は、膜小胞とそれを覆う外層から構成されている。唾液Exoは免疫活性化因子として口腔内細菌由来LPSおよびDPP IVを含有し、マクロファージ(Mφ)を活性化させる。Exoから解離した外層によるMφ活性化は増強された。一方、Exo構成成分でLPS結合タンパク質群(LBPs)であるCAP18は、Mφ活性化を抑制していると考えられた。Exoの外層は分解されやすいが、膜小胞およびDPP IVは安定であった。以上のことから、Exoは口腔内でLPSを吸着して免疫系の過剰な活性化を抑制しているが、外層の解離により免疫活性化が起こる可能性が示唆された。
|