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2022 年度 実績報告書

個別製剤化を可能にする口腔内崩壊フィルムの連続生産システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07167
研究機関明治薬科大学

研究代表者

井上 元基  明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90722950)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード製剤分析 / ラマン分光 / ケモメトリックス / 連続生産 / 口腔内崩壊フィルム
研究実績の概要

口腔内崩壊フィルムは製剤化工程において薬物が均一分散した高分子マトリックスとなるため、連続生産しやすい製剤である。フィルム製剤はその長さの微調整により処方量の変更が容易であるため、小児用をはじめとした個別化製剤への適応も期待できる。本研究では医療現場における口腔内崩壊フィルムの連続生産法の確立を目的とし、フィルム組成の最適化ならびにラマン分光を用いた製剤中薬物含量のモニタリングについて、基礎的な研究を行った。フィルム基剤にはヒプロメロース、可塑剤としてグリセリン、有効成分にはエナラプリル塩酸塩を選択した。エナラプリルはフィルム中に5-25%含有させることができ、1回服用用のフィルム(2x3cm)中に治療に必要な有効成分含量となることを明らかにした。ラマンスペクトルはフィルム素材ならびに有効成分で異なるスペクトルを示したことから成分含量の予想に利用できることがわかった。成分含量を変えて作成した検量線用フィルムは実験計画法に基づき作成した。調製したフィルムのラマンスペクトルを取得し、ケモメトリックス解析することで予測含量を求めた。予測含量とHPLCにより求めた実測値との差は十分に小さく、ラマン分光によるフィルム中有効成分含量の分析の可能性が見出された。実際のフィルム製剤は動いた状態で生産されるため、連続的にフィルムを生産し、ラマンスペクトルから予測含量をモニタリングしたところ、実測値を100%とした際の予測値は95%以上105%以下であることがわかり、ラマン分光法はフィルム製剤の有効成分含量のモニタリングツールとして有用であることが示された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative Monitoring of Cocrystal Polymorphisms in Model Tablets Using Transmission Low-Frequency Raman Spectroscopy2023

    • 著者名/発表者名
      Inoue Motoki、Osada Takumi、Hisada Hiroshi、Koide Tatsuo、Fukami Toshiro、Roy Anjan、Carriere James
    • 雑誌名

      Journal of Pharmaceutical Sciences

      巻: 112 ページ: 225~229

    • DOI

      10.1016/j.xphs.2022.09.009

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] エナラプリルマレイン酸塩含有口腔内崩壊フィルムのラマンモニタリング2023

    • 著者名/発表者名
      井上元基
    • 学会等名
      日本薬剤学会第38年会
  • [学会発表] 個別製剤化に向けた口腔内崩壊フィルム中有効成分のラマンモニタリング2023

    • 著者名/発表者名
      井上元基
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
  • [学会発表] 口腔内崩壊フィルム化によるユーザービリティの向上~半錠分割が困難なデキサメタゾン錠を例に~2023

    • 著者名/発表者名
      井上元基
    • 学会等名
      第16回PLCM研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] バクロフェンを主薬とした口腔内崩壊フィルムの調製とその製剤特性2022

    • 著者名/発表者名
      大灘一晴、小達萌未、深水啓朗、井上元基
    • 学会等名
      第66回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] ダントロレンナトリウム新規小児製剤としてのフィルム製剤の検討2022

    • 著者名/発表者名
      黒島怜穏、小達萌未、深水啓朗、井上元基
    • 学会等名
      第66回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] エナラプリルマレイン酸塩を用いた口腔内崩壊フィルムの調製2022

    • 著者名/発表者名
      小達萌未、深水啓朗、井上元基
    • 学会等名
      第66回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] 用量調節可能なデキサメタゾン口腔内崩壊フィルムの組成の最適化と製剤特性2022

    • 著者名/発表者名
      小達萌未、深水啓朗、井上元基
    • 学会等名
      日本薬剤学会第37年会
  • [産業財産権] フィルム製剤の製造方法及びフィルム製剤の製造システム2022

    • 発明者名
      井上元基
    • 権利者名
      井上元基
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2022-88731

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公開日: 2023-12-25  

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