研究課題/領域番号 |
20K07172
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
関根 祐子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (30567350)
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研究分担者 |
久保田 洋子 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (80573394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 舌圧 / 口腔機能 / 口腔体操 / 服薬支援 / 嚥下障害 / とろみ剤 |
研究実績の概要 |
1.口腔機能教育支援システムの構築 口腔機能教育支援プログラムの作成を行うために以下の①~②を行った。①「口腔の知識」研究で使用する研修資料について口腔・咽頭の生理解剖の各項目について作成した。②「口腔ケアの意義、口腔体操の知識と技能」の研究では、教育の一環として研究参加者に「口腔体操」を行う必要があるため、幼児教育の専門家で社会福祉協議会認定講師・レクリエーション介護士の資格を有する講師を研究協力者として招聘し、「口腔体操」用楽曲を作成し、動画を作成した。
2.服薬支援システムの構築 口腔機能と内服薬の形状との関係についての研究を行うために、以下の①~⑤を行った。①舌圧値、RSST(反復唾液嚥下テスト)、ODK(オーラル・ディアドコキネシス)、MWST(改訂水飲みテスト)の4種類の口腔機能検査を実施する具体的な手順について検討した。②研究に使用する内服薬の形状について見直しを行い、錠剤10種類、カプセル剤8種類に決定し、それぞれの大きさに合わせて錠剤を作成した。③現在服用している内服薬の種類や服用方法調査の具体的な手順について検討した。④検査参加者の感染対策として、マスク、フェイスシールド、手袋などの感染防護具の着用、備品等の消毒などを行うこととした。⑤口腔機能低下による嚥下障害者ではとろみ剤を使用して服薬する場合がある。とろみ剤による影響を調査するために、とろみ剤に浸漬させた各種エドキサバン錠の溶出試験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.口腔機能教育支援システムの構築 ①については、対面による研修会が望ましいが、新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、対面での教育プログラム試行研究が実施できなかった。②については、「口腔体操」用楽曲ならびにその楽曲を使用した体操動画による研修会は実施できなかった。
2.服薬支援システムの構築 本研究は、研究参加者の口腔機能測定に際し、喉に測定機器を装着したり、水を飲んだり、口をあけ発語する必要がある。参加者と測定者の距離が近く口腔からの飛沫感染のリスクが高いにもかかわらず、対面以外の測定方法がない。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、感染予防対策の構築と研究参加者募集ができなかったことから、口腔機能測定を行う研究が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.口腔機能教育支援システムの構築 ①「口腔の生理解剖、構造、役割機能などの知識」の口腔・咽頭の生理解剖、構造、機能の研修資料の作成を行い、高齢者施設・健康フェアでの講習会を計画・実施する。②「口腔ケアの意義、口腔体操の知識と技能」を実施するための「口腔体操」用楽曲による高齢者施設・健康フェアでのトライアルを計画・実施する。③「舌圧値など口腔機能評価の種類と測定方法」研究は、トライアル前後での口腔機能の測定を計画・実施する。①~③の実施について新型コロナウイルス感染症予防策を講じて実施できるよう計画する。
2.服薬支援システムの構築 新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、適切な感染対策を施した上で口腔機能測定が可能となる。健康フェア等で研究参加者から同意を取得して口腔機能検査を実施することとした。感染対策を講じながら、①口腔機能(舌圧値、RSST、ODK、MWST)測定、②錠剤、カプセル剤の形状の違いによる服薬しやすさの調査、③研究参加者が普段服用している薬剤、サプリメントなどの種類、服用方法の調査を行う。④口腔機能低下による嚥下障害時におけるとろみ剤の使用状況調査を行う。⑤①~③について、口腔機能指標と服用薬指標の関係を解析し、口腔機能測定値と内服薬服薬可否の関係を明らかにする。その結果を用いて口腔機能に応じた適切な薬剤を選択できる内服薬選択システムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.口腔機能教育支援システムの構築 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、予定していた研究が実施できなかったため、当初予算の一部を使用できなかった。令和5年度は新型コロナウイルス感染予防策を講じた上で、研究を実施する予定である。 2.服薬支援システムの構築 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当初予定されていた研究を行うことができなかった。令和5年度は、新型コロナウイルス感染症予防策を講じることに加え、研究方法、研究対象者や研究実施場所の見直しを図り、研究を実施する予定である。
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