研究課題/領域番号 |
20K07178
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
飯原 大稔 岐阜薬科大学, 薬学部, 研究員 (40775095)
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研究分担者 |
林 秀樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (00419665)
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
安部 正和 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (90644063)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オラパリブ / ニラパリブ / PARP 阻害薬 / 悪心 / 嘔吐 / CINV |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、オラパリブが投与された卵巣癌の患者を対象として、治療期間における消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振)の発現状況および制吐療法の実態を明らかにし、オラパリブに対する標準制吐療法を確立することである。令和2年度は、臨床試験に実施体制の構築を計画し実施した。以下に研究実績の概要を記載する。オラパリブ内服患者における化学療法に伴う悪心・嘔吐に関する多施設共同観察研究を2020年1月31日より開始し、2021年3月31日現在において、登録施設6施設、計25症例を登録している。また、症例報告書も予定通り回収できており、岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センターに設置したElectronic Data Captureシステム(REDCap: Research Electronic Data Capture)への入力も順調に行われている。また、抗悪性腫瘍薬ニラパリブトシル酸塩水和物(商品名ゼジューラカプセル100mg)が11月18日に薬価収載され、2020年11月20日に発売された。ニラパリブもポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、ニラパリブにおいてもオラパリブと同様に、悪心の発現頻度が51%~69%、嘔吐の頻度は25%~37%と高頻度に報告されている。このことから、調査対象薬剤としてニラパリブを加えた研究計画書の改定を行い、PARP 阻害薬内服患者における化学療法に伴う悪心・嘔吐に関する多施設共同前向き観察研究として試験を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は、実地臨床では新型コロナウイルス (COVID-19)に対する医療体制の整備と患者対応が必要となり、施設によっては臨床試験の実施継続が困難になったことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度より開始、オラパリブに加えてニラパリブを対象薬剤としたプロトコールの改定を実施した、PARP 阻害薬内服患者における化学療法に伴う悪心・嘔吐に関する多施設共同前向き観察研究を継続する。本試験デザインは、実地臨床における、オラパリブもしくはニラパリブ投与に起因する消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振)の発現状況及び制吐療法の実態を調査する多施設共同前向きコホート研究である。目標症例数は234 例であり、令和2年度における登録症例数は目標の12%にとどまっているため、登録症例数を増加させるために、研究に参加する施設を追加する。
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