本研究ではCINVに関する研究データを統合し、更に新規に症例集積を開始した臨床試験の患者データを含めCINV発現の性差及び個人差について検討した。既存試料・情報を用いた検討及び前向き臨床試験の2つのコホートにおいて女性でCINV発現が高く明確な性差があることが示された。また、CYP3A4及びTACR1遺伝子多型がCINV発現の個人差に影響することが示唆された。また、女性患者においては閉経状態や性ホルモン濃度がCINV発現に及ぼす影響を検討したところ、悪心発現に閉経状態が影響すること、卵胞刺激ホルモン(FSH)が低い患者群では悪心発現が高くなることが示された。
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