腎不全は心血管疾患の合併頻度の高い病態である。腎機能が低下すると心血管疾患の危険因子であるホモシステインの血漿濃度が高値を示すことから、腎不全患者における心血管疾患発症・進展への高ホモシステイン血症の関与が指摘されている。腎不全に高ホモシステイン血症が合併したとき、メチオニン-ホモシステイン代謝系の代謝回転にどのような変化が起きるかを明らかにすることを目的に、ホモシスチン添加食で飼育することで作出した高ホモシステイン血症合併腎不全モデルラットに対して代謝フラックス解析を施行した。その結果、ホモシステインを非可逆的に除くようにイオウ転移経路系の代謝回転が亢進している知見が得られた。
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