現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PKCλ依存的な癌幹細胞における新規解糖系制御機構(本機構)について、設定した3つの課題の解析を進めた。(1)本機構の詳細に関しては、新型コロナ感染拡大による研究施設の封鎖や計画を中心的に遂行する予定のポスドクの来日延期(2021年5月20日来日)などで、計画の進捗が遅れたが、封鎖が解除されてから研究室の大学院生に分担して進めることで、研究実績概要に示すように計画が遂行できた。(2)癌幹細胞代謝系における本機構の位置付けについても、(1)に示すように計画の進行が遅れたが、同様に大学院生と計画を進めることで、進展がみられたとともに、関連する論文(Motomura et al., Oncology Letters in press)が受理された。(3)癌における本機構の意義付けは、新型コロナ感染拡大による研究施設の封鎖中も、自宅で解析可能な癌ゲノムデータを用いたデータサイエンス解析に集中した分、当初の計画以上に進展した。研究施設の封鎖解除後に再開した実験のデータを加え、派生して得られた研究成果も含めて3報の論文発表を行うことができた(Nozaki et al., PLoS One. 15 e0235747 (2020): Sato et al., Anticancer Res. 40 2777-2785 (2020): Onaga eta al., Anticancer Res. 41, 43-54 (2021))。このように、当初は新型コロナ感染拡大によって、計画の進行が遅れたが、封鎖解除後にカバーすることにより、計画の遅れを取り戻すことができてきている。そこで、概ね順調に進展しているとした。
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