研究課題
基盤研究(C)
抗がん薬の作用機序におけるPARPと活性酸素(ROS)について検討した。PARPの働きはPARP阻害薬(Olaparibなど)の有無で評価した。H2O2(反応時間:4 h)は、HL-60細胞に対して細胞生存率を低下させた。この低下はPARP阻害薬によって抑制された。Pirarubicin (THP)(反応時間:4 h)は細胞生存率を低下させ、この低下はOlaparibの影響を受けなかった。一方、THP(24 h)は細胞生存率を低下させ、この低下はOlaparibにより抑制された。Doxorubicin (DOX)(24 h)は細胞生存率を低下させ、この低下はOlaparibにより増強された。
医療系薬学
抗がん薬の作用機序におけるPARPと活性酸素(ROS)シグナル伝達機構について検討することにより、抗がん薬の作用機序におけるPARPの働きを明らかにした。PARP, ROS,および関連する分子が抗がん薬治療の新しいバイオマーカーに成り得ることを示唆しており、新しいがん治療標的分子の提案につながり、これらを用いた新しいがん化学療法の開発と創薬への基盤情報となり得る。