生体組織に存在する腫瘍性を持たない多能性幹細胞であるMuse細胞の新規細胞ソースとして臍帯由来Muse細胞の特性、多能性制御機構を解明するために、臍帯、骨髄、脂肪、皮膚由来Muse細胞の遺伝子発現解析、DNAメチル化解析を行った。ヒト胎児データとの比較を通じ、臍帯由来Muse細胞は着床後胚盤胞と似た性質を示すことが明らかになった。さらに臍帯由来Muse細胞に特異的に発現する因子を同定し、これが多能性を制御していることを明らかにした。また、臍帯由来Muse細胞では三胚葉だけでなく栄養膜、生殖細胞系列、造血系の細胞への分化能を有することが明らかになり、周産期領域や生殖医学への応用への基盤を築いた。
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