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2020 年度 実施状況報告書

多発性硬化症におけるC型ナトリウム利尿ペプチドの病態生理学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K07220
研究機関秋田大学

研究代表者

板東 良雄  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20344575)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード多発性硬化症 / EAE / 炎症 / 血管内皮
研究実績の概要

多発性硬化症(MS)は中枢神経系における慢性炎症性脱髄疾患であるが、その発症機序については未だ不明な点が多く残されている。これまでの我々の解析から血管内皮細胞の障害を伴った血液脳関門の破綻がMSの病態形成に重要であることが分かってきた。一方、C型Na利尿ペプチド(CNP)は脳神経ペプチドであるが中枢神経系における機能は不明である。これまでの報告によればCNPは血管内皮で産生され、血管内皮細胞を保護している可能性が示唆される。そこで、血管内皮特異的にCNPを過剰発現するTgマウス(CNP-Tgマウス)に多発性硬化症(MS)モデルを誘導することによってCNPの機能解析を行った。
まず、MSモデルである実験的脳脊髄炎(EAE)モデルにおいて、特異的抗体を用いた免疫組織化学法によりGC-Bの発現細胞の同定を試みた。その結果、GC-Bは主に血管内皮細胞にアストロサイトやミクログリアに発現を認めたことから、CNPは血管内皮やグリア細胞に作用する可能性が示唆された。また、CNP-TgマウスにEAEを誘導したところ、野生型マウスに比べて発症が遅延し症状も軽度であった。病理所見においても炎症細胞の浸潤が軽度であり、脱髄ならびに軸索変性の程度も軽度であることが認められた。このような結果から、CNP/GC-B系は血管内皮やグリア細胞においてEAEの病態形成に大きく関与している可能性が示唆され、CNPの神経保護効果も期待できることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要に述べた内容は実験計画当初から予想していた結果と大きな差異はなく、予定していた実験項目にも大きな遅延はない。したがって、実験計画の通り概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

現時点において方向性や研究計画を変更する必要はないため、研究計画書の通りに研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において一定期間、ラボが閉鎖の状態となり実験遂行ができなくなったことと学会の多くがオンライン開催となったため旅費を使用しなかったことに起因する。1年目の実験計画と得られた結果に大きな影響は与えないが、昨年度実施できなかった研究の一部が少し残っているため、消耗品の購入などに充てる。また、今年度も学会や研究会がオンライン開催となる可能性も高いため、予定していた学会参加に係る旅費についても必要に応じて消耗品の購入等に流用することを検討するなど、有効かつ適切に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] New insights on oligodendrocyte-mediated demyelination of multiple sclerosis and experimental autoimmune encephalomyelitis.2021

    • 著者名/発表者名
      Bando Y.
    • 学会等名
      第126回日本解剖学会/第98回日本生理学会合同大会

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公開日: 2021-12-27  

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