研究課題
基盤研究(C)
本研究は、マウス胎仔頭部のイメージングを通じて、研究対象を脳原基だけに焦点を当てるのではなく、頭部全体に視野を広げ、異なる種類の細胞群の時空間的関係性を意識し研究を進めた。この為、組織内での関わり合いを維持しつつ、一細胞レベルでの観察をおこなうことで、頭部の様々な器官形成への理解を深めた。また、発生初期の組織形成の変化の要因である細胞の内因的要因と、近隣細胞・組織から受ける外因的要因があるが、その一つである脳を囲む表皮・結合組織に注目して、 脳、頭部組織の形態変化を力学的な観点からも考察した。
神経発生
オルガノイド作成技術は日進月歩で、消化器系なら、複数の異なる器官を同時に、それらの間にあるべきつながりを持たせて、生じさせるにまで至っている。しかし、本来より幹細胞の持つ「自己組織化」と称される自己複製能や多分可能による工程も多い。本研究は、将来、異種細胞の会合・協働を人為的にコントロール出来る為に有用になると思われる。また、これらの成果は、頭部のさまざまな器官形成のしくみについて、新しい理解をもたらすと予想される。