ラット頬髭槍型感覚終末はグリア鞘をなす終末シュワン細胞と星形シュワン様細胞を随伴する。後者が前者に姿を変え若年・老年の正常感覚終末改築に与ることを確かめ,その細胞活動を促す信号を調べる目的で,毛包全周の共焦点俯瞰像で両細胞の形態・分布を詳細にし,分離標本のCa2+画像化法で両者が発現する信号物質受容体を同定,動物実験で受容体遮断効果を解析した。星形シュワン様細胞は,3週令から16カ月令まですべての髯毛包に存在し,若いラットでしばしば,終末シュワン細胞への形態移行を示唆する像をみせた。両細胞はATP受容体亜型P2Y2を発現,その遮断は若い感覚終末での動員による終末シュワン細胞増加を鈍らせた。
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