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2020 年度 実施状況報告書

脂質性二次伝達物質代謝・産生酵素の組織分布と細胞内局在に関する形態学的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K07238
研究機関秋田大学

研究代表者

八月朔日 泰和  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (00372334)

研究分担者 吉川 究  秋田大学, 医学系研究科, 助教 (90400481)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードホスホリパーゼD / ジアシルグリセロールキナーゼ / 特異抗体 / 滑面小胞体 / 免疫組織化学染色 / 海馬 / プルキンエ細胞 / 介在ニューロン
研究実績の概要

令和2年度はDGKアイソザイム(DGKg・DGKi)およびPLDアイソザイム(PLD1・PLD2)の中枢神経系における組織発現と細胞内局在解析および培養細胞における発現局在解析を行った。
1) DGKアイソザイム(DGKg・DGKi)の中枢神経系における組織発現と細胞内局在解析:① DGKg-共焦点レーザー顕微鏡を用いた多重染色法による解析により、DGKg免疫反応がラット海馬投射ニューロン、大脳皮質投射ニューロンおよび小脳プルキンエ細胞の細胞体と樹状突起に顆粒状に検出された。また各領域における介在ニューロンにも発現を認めた。免疫電子顕微鏡法により、DGKgは小脳プルキンエ細胞樹状突起において滑面小胞体に局在することを見出した。② DGKi-DAB染色により、同様に核移行シグナルを有するDGKzと異なり、DGKiはラット脳神経細胞において細胞質に局在することが明らかとなった。
2) PLDアイソザイム(PLD1・PLD2)の中枢神経系における組織発現と細胞内局在解析および培養細胞における発現局在解析:① PLD1-ウェスタンブロット法にて、マウス脳における発現を認めた。脳の他に肺、心臓、肝臓、腎臓における発現が検出された。NIH3T3細胞を用いた形態学的解析により、PLD1免疫反応は細胞質に粗な顆粒状に認められ、弱く核にも検出された。マウス脳の神経細胞においてはPLD1免疫反応は細胞質に認められた。② PLD2-ウェスタンブロット法にて、マウス脳における発現を認めた。脳以外の臓器では反応は検出限界以下であり、発現していないか発現していても少量と考えられた。マウス脳の神経細胞においてはPLD2免疫反応は細胞質に認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度の研究計画では、以下の目標を挙げた。
DGKアイソザイム(DGKg・DGKi)およびPLDアイソザイム(PLD1・PLD2)の中枢神経系における組織発現と細胞内局在解析【令和2年度~3年度】
本年度に関して申請者はDGKgがラット脳の投射ニューロンおよび介在ニューロンに発現し、免疫電子顕微鏡法により小脳プルキンエ細胞の樹状突起においてDGKgが滑面小胞体に局在することを明らかにした。またPLD1およびPLD2のマウス脳における発現局在を明らかにした。以上より、当該課題の「研究の目的」に対する達成度は、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

令和3年度は以下の点につき解析を行う。
1)DGKアイソザイム(DGKg・DGKi)およびPLDアイソザイム(PLD1・PLD2)の中枢神経系における組織発現と細胞内局在解析【令和2年度からの継続】
● 蛍光多重染色法による解析(共焦点レーザー顕微鏡):DGKiはラット脳について、PLDアイソザイムはマウス脳の各領域について、蛍光多重染色によりさらに発現局在解析を進める。
● 免疫電子顕微鏡法による解析:包埋前(DAB・銀増感)および包埋後免疫電子顕微鏡法により、DGKiおよびPLD1・PLD2の神経細胞内微細局在の解析を行う。
2)PLD1・PLD2の脳内発現および局在変化を生じる分子や刺激の探索:カイニン酸注入や虚血刺激によるPLD2のマウス脳内発現量や神経細胞内局在の変化を特異抗体で確認する。さらに、PLD1とPLD2の発現や局在変化を生じる新規分子や刺激の探索を行う。
3)PLD1・PLD2の末梢臓器における組織発現と細胞内局在解析:ウェスタンブロット法によりマウス各臓器におけるPLD1・PLD2のタンパクレベルでの発現を解析する。それを元にPLD1とPLD2抗体で免疫組織化学染色を行い、各種顕微鏡により各臓器における発現細胞や細胞内局在を解析する。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度の物品購入において直接経費所要額の約0.3%相当の残金が生じた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Cellular expression and subcellular localization of diacylglycerol kinase γ in rat brain2021

    • 著者名/発表者名
      Hozumi Y, Nakano T, Goto K.
    • 雑誌名

      Biomedical Research (Tokyo)

      巻: 42 ページ: 33-42

    • DOI

      10.2220/biomedres.42.33.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Regulation of p53 and NF-κB transactivation activities by DGKζ in catalytic activity-dependent and -independent manners.2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T, Nakano T, Hozumi Y, Martelli AM, Goto K.
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Molecular Cell Research

      巻: 1868 ページ: 118953

    • DOI

      10.1016/j.bbamcr.2021.118953.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] DGKζ depletion attenuates HIF-1α induction and SIRT1 expression, but enhances TAK1-mediated AMPKα phosphorylation under hypoxia.2020

    • 著者名/発表者名
      Akimoto R, Tanaka T, Nakano T, Hozumi Y, Kawamae K, Goto K.
    • 雑誌名

      Cellular Signalling

      巻: 71 ページ: 109618

    • DOI

      10.1016/j.cellsig.2020.109618.

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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