研究課題/領域番号 |
20K07245
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 講師 (80432780)
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研究分担者 |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
川合 克久 香川大学, 医学部, 助教 (80534510)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新規エンドサイトーシス / Rap2B / ファゴサイトーシス / CRISPR/Cas9 |
研究実績の概要 |
昨年度の機能解析からRap2BはFcγレセプター介在性ファゴサイトーシス経路において、ファゴゾームの形成への関与することが示唆されていた。新規エンドサイトーシス経路におけるRap2Bの機能を知る上でも内在性蛋白の役割は極めて重要であることから、本年度はCRISPR/Cas9システムを用いたRap2Bノックアウト(KO)細胞株の樹立を目指した。Rap2BのCRISPR/Cas9系プラスミドを導入したRAW264トランスフェクタントについて、シングル細胞由来のコロニー約200個をウエスタンブロッティングでKO細胞のスクリーニングを行った。その結果、コンベンショナルなRap2B KOシステムでは、Rap2B KO細胞株は樹立できないことが判明した。このことから、Rap2Bは細胞の生存に必須の遺伝子であることが推定された。 新生ファゴゾームの近傍で形成されるエンドサイトーシス小胞について、この小胞膜が実際にplasma membrane (PM)由来のものであるかについて、これまで詳細な解析は行っていなかった。そこで、PMを特異的にラベルできるFM4-64を用いて新生エンドサイトーシス小胞がPM由来のものであるかどうか検討を行った。FM4-64の存在下でIgGオプソニン化赤血球をRAW264マクロファージに貪食させ、共焦点レーザー顕微鏡でライブセル観察を行ったところ、(IgGオプソニン化赤血球のPMに加えて)新生エンドサイトーシス小胞がFM4-64でラベルされることがわかった。このことから新生ファゴゾームの近傍で形成されるエンドサイトーシス小胞はPM由来のものであることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画ではKO細胞の樹立し、Rap2Bの機能を明らかにすることを目指していたが、コンベンショナルなシステムではRap2BのKO細胞の樹立ができず、内在性Rap2Bの役割が不明なままとなっているため。
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今後の研究の推進方策 |
新生ファゴゾームの近傍で形成されるエンドサイトーシス小胞の特異的なマーカーは依然不明であることから、今後も小胞マーカーのスクリーニングも継続していく予定である。また、Rap2BのKO細胞株が樹立できないことから、RNAi等を用いた一過性のノックダウン実験系を利用してRap2Bの機能を明らかにしてく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Rap2Bのノックアウト実験が当初の予定通り進まず、関連実験に遅れを生じ、使用額が変更となった。 また、コロナの影響により学会がweb開催となぅたため次年度使用額が生じた。 ノックアウト実験をノックダウン実験に修正し、予定通り使用していく予定である。
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