研究課題/領域番号 |
20K07263
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60150059)
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研究分担者 |
徐 建軍 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (10581689)
蓑部 悦子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00448581)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心筋 / Cav1.2 チャネル / カルモジュリン / Ca2+依存性不活性化 / 分子構造シミュレーション / パッチクランプ |
研究実績の概要 |
本研究は、蛋白質立体構造予測シミュレーション法と分子・細胞生物学的技法および電気生理学的方法を組み合わせた研究により、カルモジュリン(CaM)とCaチャネルとの結合様式を解明するとともに、CaMの結合によるCaチャネルの構造変化を解明することを目的とする。本年度は分子生物学実験とパッチクランプ実験を行なった。 分子生物学実験では、Benmochaら(2016)が提唱したCav1.2 チャネルの構造・活性モデルを検証した。それは、チャネルが閉状態の時、Ca2+-free CaMがチャネルのC末部に結合しており、また同C末部とN末部が結合している。チャネルが開状態になると両末部が解離し、さらにCa2+が流入するとCaMがCa2+を結合してチャネルの構造変化を起こし、両末部が解離したままCa2+依存性不活性化(CDI)の構造をとるというものである。そこで、実験では先ずN末部とC末部が結合するかどうかをpull-down法で調べた。その結果、両者が直接結合することは無く、Ca2+/CaMの存在下でのみ、Ca2+/CaMによる架橋という形で間接的に結合するという結果が得られた。 パッチクランプ実験では、チャネルのC末端部にGlyリンカーを介してCaMを融合させた変異チャネルを用いて、inside-out法によるCDIの検証を行った。低Ca2+条件で見られたチャネルの活性が高Ca2+条件では不活性化を示した。この不活性化は外部からCaMを与えなくても観察されたが、チャネルのN末部を削除すると観察されなくなったので、チャネルに融合させたCaMがCa2+と結合してN末部とC末部を架橋することにより引き起こされたと示唆された。更に、N末部を削除したチャネルに外部のCaMを高Ca2+条件で投与するとCDIが観察されたので、N末部の関与しないCDIの様式もあることが明らかとなった。
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