吸啜は乳児が母親から栄養を得るためのリズム運動であるが、その神経回路網の局在や神経機構は不明である。我々はPhox2b陽性ニューロンにチャネルロドプシンを発現させた遺伝子改変ラットを作成し、頭部背側からの光照射で吸啜運動を誘発できることを発見した。脳幹-脊髄摘出標本でも光照射により横隔神経のリズム活動が誘発されたが、三叉神経や舌下神経と同期したリズム活動であることから、吸啜ではなくしゃっくりであることが分かった。現在、摘出標本にグルタミン酸やNMDAなど様々な薬物を投与し吸啜様リズムの誘発を試みているが、成功していない。
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