本研究では、癌細胞のアポトーシス抵抗性におけるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)-非典型プロテインキナーゼC(aPKC)シグナリング制御の全容解明に向け、S1P-aPKCの下流シグナルおよびストレスとの関係を明らかにし、さらにS1P-aPKC活性化機構の構造学的分子メカニズムの解明を目指した。その結果、S1PによるaPKC活性化の新たな分子メカニズムとしてaPKCの翻訳後修飾の関与を見出し、またS1P-aPKCシグナリングの下流で働くアポトーシス関連分子として転写因子Xを同定し、さらにS1P-aPKCシグナリングによる癌細胞のアポトーシス抵抗性に関係する新たな飢餓ストレスの同定に成功した。
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