ドキソルビシンは多くの悪性腫瘍に使用される抗がん剤だが、致命的な心不全へと進行することが知られている。我々は、ラット心筋由来のH9c2細胞をドキソルビシンで処理したときの細胞毒性をデスアシルグレリンが抑制することを見出してきた。我々はデスアシルグレリンと相互作用するタンパク質DAGRを見出したが、そのKd(解離定数)は200~1000nM程度であった。デスアシルグレリンはH9c2細胞には結合したが、DAGRノックアウト細胞株には、結合しなかった。DAGRのノックアウトマウスを作製して、心筋組織を採取してリアルタイムPCRや免疫染色を行ったところ、心筋でのDAGRの発現の消失を確認した。
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