研究課題
以下の3点について解析を進めた。(1)野生型およびNox1遺伝子欠損マウスを用いて、急性炎症ストレス下に認められる「緊急時ミエロイド細胞増産現象 (emergency myelopoiesis)」に焦点を当て比較解析した。野生型マウスに細菌由来成分であるリポポリサッカライド(LPS)を腹腔内投与し急性炎症を誘導すると、LPS投与1日後に末梢血・脾臓の好中球増加および骨髄の好中球減少が観察された。LPS投与5日後には末梢血の好中球数はほぼ正常化したが、脾臓と骨髄では好中球数が増加しており、myelopoiesisが生じていることが確認された。この造血応答の変動はNox1遺伝子欠損マウスでも同様に観察され、好中球数および割合ともに有意差は認められなかった。(2)近年の報告により、急性炎症ストレス下に増加する骨髄Sca-1陽性細胞は未熟ミエロイド細胞であり病態形成に関わることが示されている。研究代表者はこれまでにNox1がSca-1陽性細胞群に増加することを見出していることから、野生型およびNox1遺伝子欠損マウスより骨髄Sca-1陽性細胞を抽出しRNA-seq解析を行なった。(3)前年度に見出したスーパーオキシド検出を増感させる性質をもつ化合物Xの特性を精査し、国際科学誌に投稿した。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Front Med
巻: 9 ページ: 941180
10.3389/fmed.2022.941180