組織の立体構造を保持した肺静脈標本に高速3次元共焦点顕微鏡法および微小電極法を適用し、細胞から組織レベルまでの総合的視点から、自発活動の発生機序を解明することを目指した。本研究では緩徐脱分極に寄与するNa電流に注目した。Na電流は心筋の興奮時に一過性に流れる大電流成分(peak INa)と持続的に流れる小さな電流成分(late INa)の2つに大別される。摘出肺静脈組織標本の自発活動は、late INa遮断薬によって抑制され、peakINa遮断薬では抑制されなかった。その傾向はⅠ群抗不整脈薬でも同様だった。またNCC-3902は、心抑制をすることなく肺静脈心筋自発活動を抑制することを見出した。
|