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2020 年度 実施状況報告書

MeCP2-LBX1転写制御に着目したレット症候群の新規治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K07307
研究機関金沢大学

研究代表者

目黒 牧子  金沢大学, 学際科学実験センター, 博士研究員 (20304222)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードレット症候群 / 側弯
研究実績の概要

レット症候群は女児にのみ発症する進行性の神経発達障害であり,その原因遺伝子としてMeCP2遺伝子が同定されているが,MeCP2の機能が多様であることからレット症候群の発症メカニズムの解明には至っていない。また,治療法の確立に関しても,MeCP2遺伝子の重複が同様な神経発達障害を引き起こすことから,既存の遺伝子治療技術では難しい。こうした中,最近,思春期突発性側湾症の原因遺伝子であるLBX1が,MeCP2のターゲット遺伝子であることを明らかにした。興味深いことにLBX1欠損マウスで,側弯や呼吸不整などレット症候群の臨床症状と一致が認められる。そこで,本研究では,MeCP2-LBX1転写制御系の下流遺伝子を同定するとともに,それらの遺伝子がレット症候群における効果的な遺伝子治療のターゲットに成りうるか明らかにする。また,MeCP2-LBX1により制御される下流分子に作用する既知の低分子化合物がレット症候群の治療薬に成りうる可能性がないか,Mecp2欠損マウスを用いて明らかにすることを目的とする。当該年度は,PCR Arrayを用いてMeCP2欠損A172細胞で発現に変化の認める遺伝子をスクリーニングした。その結果,2倍以上発現が変化した遺伝子を9個同定した。さらにこの中から,LBX1の直接の制御下にある遺伝子を同定するため,MeCP2欠損細胞にLBX1遺伝子を導入するレスキュー実験を行った。その結果,MeCP2欠損A172細胞で発現に変化を認めた9個の遺伝子のうち,2つの遺伝子の発現が回復し,LBX1の制御下にあることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Mecp2欠損マウスを用いた実験において,コロナ禍における緊急事態宣言等で,動物実験施設でのマウスの維持管理に遅れが生じたことから,少々遅れているが概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

LBX1のターゲット遺伝子として同定した2つの遺伝子を搭載したアデノ随伴ウイルスベクターを構築し,Mecp2欠損マウスへ導入し,レット症候群の症状緩和を試みる。具体的には,Mecp2欠損マウスの未治療と治療後の脳の形態,発現,機能,行動解析と海馬のスライス培養による電気生理学的解析及びオミックス解析を行う。これらの解析は,アデノ随伴ウイルスベクターを投与後4, 8, 12週で行う。検体(血液,髄液,脳組織)は解析データと合わせて保管し,オミックス解析(トランスクリプトーム解析,プロテオーム解析)を行い評価する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会への参加やそれに係る旅費等について,コロナ禍に伴い,学会が相次いで中止やオンライン化された事により,予定額の執行ができなかったが,今後は,問題なく研究ならびに成果報告ができると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] カリフォルニア大学デービス校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア大学デービス校
  • [学会発表] MeCP2-LBX1転写制御に着目したレット症候群の発症機序の解明2020

    • 著者名/発表者名
      奥村 兼汰、目黒 牧子、堀家 慎一
    • 学会等名
      日本生化学会北陸支部第38回大会(誌上開催)

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公開日: 2021-12-27  

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