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2020 年度 実施状況報告書

先天性角化異常症細胞のゲノム不安定性を招く新規ヌクレオチド除去修復因子の欠損

研究課題

研究課題/領域番号 20K07308
研究機関浜松医科大学

研究代表者

丹伊田 浩行  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20336671)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードテロメレース / シクロブタンピリミジンダイマー / NER
研究実績の概要

筆者はDNA鎖架橋による損傷が生じたときに働くヌクレオチド除去修復(NER)がHela細胞内で働くときに必要とされる分子のスクリーニングをsiRNAライブラリーを用いて行い、いくつかの候補分子を同定した。この中に染色体末端のテロメアを伸張する酵素テロメレースの触媒サブユニットTERTが含まれていた。TERTはNERが作用する典型的なDNA損傷であるシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)の除去に必要とされるか、TERTノックダウンHela細胞にUV照射を行い細胞内のCPDを定量した。その結果TERT欠損した細胞ではCPDの除去が著しく遅延することが明らかとなった。
TERTの欠損が細胞内DNA全領域に生じたCPD除去を阻害することはTERTがこれまで報告されているテロメア上の機能に加え内部DNAにおいても未知の機能を有している可能性が示唆されたのでテロメレースの他のサブユニットテロメレースRNA成分(TERC)、ジスケリン(DKC1)をノックダウンしCPD除去の定量を行なった。TERC, DKC1それぞれを欠損させてもCPD除去は遅延認めCPD除去を遂行するためにはテロメレース酵素複合体が必要とされることが明らかとなった。この結果はテロメレースホロ酵素がCPD除去に必要とされることを示し、機能する染色体領域はテロメアであることを示唆する。
TERT, TERCおよびDKC1を欠損させた細胞の紫外線感受性をサバイバルアッセイにて検討するといずれの場合も紫外線に対し感受性になることを見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで筆者が経験している研究手法による検討が多いため概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の方向性として染色体のテロメア領域におけるCPD除去修復を詳細に検討すべきと考えている。これまでの研究からTERTのみならずテロメレース複合体がCPD除去を促進していることが示唆されるので、テロメレースにより修復されるCPDはテロメアに生じたCPDであることが予想されるからである。まずテロメアDNAを回収するためにテロメアリピートに相補的配列を持つオリゴDNAビーズを作成する。紫外線照射後のテロメア領域CPDを継時的に定量しテロメレースの関与を検討する。

次年度使用額が生じた理由

LC-MS解析を2021年度に行うことにしたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [国際共同研究] Seoul National university(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Seoul National university
  • [雑誌論文] Telomeres reforged with non-telomeric sequences in mouse embryonic stem cells.2021

    • 著者名/発表者名
      1.Kim C, Sung S, Kim JS, Lee H, Jung Y, Shin S, Kim E, Seo JJ, Kim J, Kim D, Niida H, Kim VN, Park D, Lee J.
    • 雑誌名

      Nat Commun.

      巻: 12 ページ: 1097

    • DOI

      10.1038/s41467-021-21341-x.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] HDAC3 is required for XPC recruitment to DNA damage sites after UV irradiation.2020

    • 著者名/発表者名
      2.Nishimoto K, Niida H*, Uchida C, Ohhata T, Kitagawa K, Motegi A, Suda T, Kitagawa M.
    • 雑誌名

      Mol Cancer Res.

      巻: 18 ページ: 1367-1378

    • DOI

      10.1158/1541-7786.MCR-20-0214.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Substitution of Thr572 to Ala in mouse c-Myb attenuates progression of early erythroid differentiation.2020

    • 著者名/発表者名
      3.Kitagawa K, Uchida C, Horiguchi R, Ohhata T, Sakai S, Niida H, Yasumoto S, Handa Y, Suzuki M, Hashimoto M, Tazawa T, Yokochi Y, Tsuji M, Kitagawa M.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 10 ページ: 14381

    • DOI

      10.1038/s41598-020-71267-5.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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