免疫記憶は、長い間、脊椎動物にしか存在せず、獲得免疫に特化した機能であると考えられてきたが、近年、自然免疫細胞や、非免疫細胞も炎症にさらされた経験を記憶することが明らかとなり、総じて、炎症メモリーと呼ばれるようになった。炎症メモリーにおいては、どういった細胞がどのような分子機構で炎症を記憶し、病態生理学的にどのような機能を果たすのか、不明な点が多く残されている。そこで本研究では、マクロファージに着目し、炎症記憶の分子機構の解明を行った。その結果、炎症メモリーの制御には細胞内メバロン酸代謝が重要であることが示唆された。さらに、マクロファージ極性化の新規抑制因子としてKDM7Aを同定した。
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