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2020 年度 実施状況報告書

Notchリガンド:Dll4の結合特性を基盤とした選択的Dll4阻害剤の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K07330
研究機関東海大学

研究代表者

穂積 勝人  東海大学, 医学部, 教授 (30246079)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードNotchリガンド / Dll4 / Dll1 / 立体構造
研究実績の概要

我々はこれまで、Notchリガンド:Dll1とDll4の構造と機能の差異について、それぞれのキメラ分子を多数構築し、調べてきた。その結果、N末部であるNMML領域中のC-Cループ構造の可動性に大きな違いがあり、それがDll4のMNNL領域を介した結合に寄与していることを示してきた。しかし、Dll分子の結合に重要とされてきたMNNL、DSL、DOS(EGF様配列のN末側2つ、EGF1/2)のすべてを有するDll4-Dll1キメラ分子(D1-D4MNDD)は、Dll4と比較し、きわめて弱いNotchシグナル誘導能しか保持せず、同領域以外に機能的に重要な領域の存在が示唆された。また我々が独自に作製した抗Dll4モノクローナル抗体は、Dll4のDSL領域を中心に認識することが判明しているが、同抗体は、Dll4のDSL領域を有するD1-D4MNDDを認識しない。そこで昨年度、同抗体の認識部位を、より細分化されたキメラ分子を作製し検証した。その結果、抗Dll4抗体は、当初予想していたEGF3領域とは無関係で、DSL-DOS領域境界(Dll1: TDPI、Dll4: DQPI;4アミノ酸で構成)を含むDSL領域を認識していた。つまり、DSL領域とそれにつながる2アミノ酸を含む全体として、特徴的な構造を有していることが示唆された。当該2アミノ酸は、既に報告された立体構造情報から、分子外部に位置することが確認できた。また、この2アミノ酸の違いが、Notch1との結合に影響することを認めている。以上の結果から、Dll4に特有の結合様式として、MNNL領域に加えて、さらにDSL-DOS境界部の関与が予測された。Dll4のDOS領域は明確に機能が劣ることと併せ、興味深い。今年度は、さらにシグナル誘導能等の機能を明らかにし、さらに立体構造シミュレーションにて、2アミノ酸の機能的意義を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Dll4・MNNL領域に結合すると予測された小分子によるDll4の機能抑制能が十分ではなく、別領域の関与が大きいことが予測されたので、昨年度、Dll4・DSLの特有な構造の解明に注力した。

今後の研究の推進方策

昨年度の成果をもとに、MNNL、DSLそれぞれに結合する分子をスクリーニングし、併用効果を検討してみたい。

次年度使用額が生じた理由

一部のプラスティック製品の納入が滞ったことで、消耗品費に差額が生じた。
次年度使用額は、前年度に購入予定としていた製品の購入に当てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Dll1 and Dll4 differently require their extracellular domains for triggering Notch signaling in mice2020

    • 著者名/発表者名
      穂積勝人
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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